参加アーティスト

ミデオ・M・クルス (第 II 期)
ラケル・デ・ロヨラ (第 II 期)
ガブリエラ・ナターシャ・ガルシア・ゴンサレス (第 I 期)
村田峰紀 (第 I/II 期)
武谷大介 (第 I/II 期)
たくみちゃん (第 I/II 期)
イェ・ツーチー (第 I 期)
ヨンジョン (第 II 期)

ミデオ・M・クルス

ミデオ・M・クルスは、調査、パフォーマンス行為、そして物質の転用(appropriation)が交差する地点で活動を展開する領域横断的なフィリピンのアーティストです。彼の作品は、資本主義、ナショナリズム、宗教、ポップカルチャーが生み出す過剰(excess)をテーマにしています。クルスは過剰に生み出されたものを、残余、剰余、スペクタクル、そしてイデオロギーの副産物として理解します。そして、こうした過剰生産物をゴミとして扱うのではなく、それをアーカイヴとして捉え、権力、欲望、矛盾が可視化される場所として位置づけます。

クルスはパフォーマンスを出発点としながら、インスタレーション、社会課題への関与、そして教育へと活動を広げてきました。彼のプロジェクトはしばしば、棄てられたシンボル、過剰生産されたイメージ、そして身近にある文化的な指示対象を再構成し、つくり変えていきます。すでに過剰供給されているもの—偶像、物語、商品—をこうして転用することで、これらのものが装う中立性を撹乱するとともに、それを正常であるかのように見せるシステムを暴き出します。彼の作品において、ユーモア、不快感、そしてスペクタクルは目的ではなく、批判的な考察のための手段として機能します。リサーチを重視する彼の手法は、生きた経験、歴史的探究、そして場所の固有性をめぐる観察に依拠しています。 

クルスが現在、日本で取り組んでいるリサーチは、高度に制御されたシステムの枠内で、過剰なものがいかに立ち現れるのかを探索しています。制限・反復・改良が、過剰消費やシンボルの過多と共存するこのシステムにおいて、過剰なものがいかなる相貌をあらわすのかを調査しています。パフォーマンスは、こうした探究のひとつの方法となります。パフォーマンスは、日常生活のなかで身体・儀礼・身振りが、過剰なものをいかに吸収・拒絶・再生産するのかを検証する手段になるのです。クルスは、パフォーマンスの行為遂行性が舞台の外側でどのように作動するのかという問題にとくに関心を寄せています。それは社会的な役割、国民的な神話、そして道徳的な規則が、行為のなかでどのように繰り返され、身体化されるのかという問題です。芸術の概念を社会的な力として拡張しながら、彼の作品は神話化に抗い、芸術的な生産と日常的な存在を隔てる分離に挑戦します。こうした芸術実践と並行して、クルスはオルタナティヴな教育の仕組みを構築し、創造性を特殊な才能としてではなく、根源的な人間の能力として捉え直す活動にも取り組んでいます。彼の作品は一貫して、過剰とは偶発的ではなく構造的に生み出されると主張します。そして、このような過剰に直接的に対峙することで、アートは批判的想像力と集合的な問い直しのための空間を切り開くことができると論じるのです。

ラケル・デ・ロヨラ 

ラケル・デ・ロヨラは、フィリピンを拠点に活動するアーティストです。彼女の作品は、女性問題、アイデンティティ、植民地化、移民、強制移住、資本主義、グローバル化のほか、現代の諸問題をおもに扱います。

デ・ロヨラは2002年、ダルマシスワ研究生として、インドネシア芸術大学ジョグジャカルタ校でガムラン/カラウィタンを研究しました。2000年、ノエル・タイロがマニラを拠点とするフォークロック・ワールドミュージックのバンド、タラヒブを創設します。デ・ロヨラはこのバンドで創設時のリードヴォーカルのひとりとして活動しました。また、2000年代初頭から中期に活発に展開された、アーティストが緩やかにつながる国際的なオープン・ネットワークであるニュー・ワールド・ディスオーダーに、彼女は主要な創設メンバーとして参加しました。このネットワークのなかで、彼女はマニラや、2004年にはドイツ・ハンブルクのカンプナゲル劇場で開催されたラオクーン・フェスティバル等、国内外で協働して作品を公開しました。そして、アジア・ミーツ・アジア(日本・東京、2002、2005年)、カレンシー・フェスティバル(米国・ニューヨーク、2004年)、アジアトピア05(タイ・バンコク)に参加します。その後2006年、デ・ロヨラは、彼女の作品のひとつ「メブヤンの尽きることのない支え」を、カナダ・オンタリオ州トロントで開催された7a*11d国際パフォーマンス・アート・フェスティバルで、さらに同国ブリティッシュ・コロンビア州ヴァンクーヴァーのギャラリー・ガシェで開催されたライヴ・ビエンナーレで発表しました。2007年には、アテネオ・アート・アウォードの最終候補に選出されています。

2008年、デ・ロヨラはアール・テュイラージュ’08(フランス・ブルゴーニュ、シャトー・ド・シェヴィニー、クレイン・ラボ;パリ、ロリンピック・カフェ)、ヒルデスハイム国際パフォーマンス協会の関連企画ズーム!:東南アジア・パフォーマンス・アート・フェスティバル(ドイツ・ヒルデスハイム)、そしてパフォーマー・シュタムティッシュ・ギャラリー芸術調査(ドイツ・ベルリン)で作品を発表しました。2009年には、中国・北京で開催されたオープン国際パフォーマンス・アートフェスティバルに参加しています。2013年は米国で、グレイス・プレイス展(ニューヨーク・ブルックリン)、ジョン・ジェイ・カレッジのブラック・ボックス・シアター(ニューヨーク)、そしてパフォーム・チャイナ・タウン(カリフォルニア・ロサンゼルス)でパフォーマンス公演を行いました。2017年には、ノー・イグジット・ライブ・パフォーマンス・アート・フェスティバル(タイ・バンコク)でパフォーマンス作品を公開しています。

2009年、デ・ロヨラはフィリピン国立文化センターのメイン・ギャラリーで開催されたCCP 13 アーティスト・アウォードで、彼女の代表的なパフォーマンス映像インスタレーション作品のひとつ「ブレミッシュ」を発表しています。2011年には、彼女の作品のひとつ「マウンド」を、マニラ現代のアブセンス・パフォーマンス・レジデンス/展覧会で公開しました。2013年、彼女はフィリピン・アートの功績展の参加アーティストとなり、米国ニュージャージー州モンクレアのモンクレア大学ジョージ・シーガル・ギャラリー、カリフォルニア州ロサンゼルスのフィッシャー美術館、そして2014年にはフィリピン・マカティのアヤラ・ミュージアムの展示に加わりました。また、2012年には、アジアン・カルチュラル・カウンシルの助成プログラムを受けて、ニューヨークに滞在しています。

デ・ロヨラは国内外で積極的に作品を発表してきました。都市の喧騒を離れて生活しながら、彼女は現在、夫とともにフィリピンの中部ルソンでバンガン・プロジェクト・スペースというアーティスト主導の拠点を設立・運営しています。彼女は既存の分野やさまざまな可能性を横断しながら、探究を続けています。現在は、ソフト・ファブリックの彫刻や、衣類を用いた主題の提示に取り組んでいます。 

創造的な活動は、思想を創造行為、運動、その他の表現手段へと転換するよう、個人を動機づける思考の蓄積とともに始まります。デ・ロヨラの作品は、アートの境界を解体することに焦点を当てます。彼女は、慣習に囚われない領域横断的な探究が、人々にとってより身近で、それゆえにアートと実生活の分断を架橋するような、統合された創造の形式を取り戻すことにつながると信じています。空想に頼ることなく、しかし生存という不可思議な経験的神秘を、創造的創造と自己表現とともに示し続けること。こうした問題意識から、彼女の作品は女性、ジェンダー、植民地化、商品、消費主義、移民、強制移住、アイデンティティ、グローバル化、そして不確実性に直面する現代の諸問題をおもに検討しています。

ガブリエラ・ナターシャ・ガルシア・ゴンサレス

ガブリエラ・ナターシャ・ガルシア・ゴンサレスはメキシコ市生まれ。2024年1月より東京在住。版画とパフォーマンスを中心に活動。メキシコのグアナファト大学美術学部卒業。ビデオアーティスト、アニメーターとして活動し、数々の短編映画祭で作品を発表。現在埼玉のアーティストグループCAF.N(Contemporary Art Festival Nebula)のメンバー。2024年福島と石巻で開催された「R6: Releasing and Healing 解放すること/癒すこと」に参加。2025年、ドイツ、東京、千葉、アグアスカリエンテスでの展覧会に参加し、グラフィックドローイングと身体表現の交差点を探求している。

村田峰紀

群馬県生まれ前橋市在住。2005 年多摩美術大学美術学部彫刻学科卒業。原初的な行為で“かく”ことの語源にある4つの要素を、意識=書く、結果=描く、行為=掻く、潜在=欠く、と捉えてドローイング制作やパフォーマンスをおこなっています。パフォーマンスとは自身を通して身体で考え反応する事と考え、身体感覚を研ぎ澄まし今目の前にある不自由な対象や状況の中で泥臭くもがき続け解きほぐします。Ongoing Collective、Responding Performance Art Initiative、身体の人たちに在籍し活動。

主な個展にBAR (void+、2026年)、トータス (Art Center Ongoing Tokyo、2025年)、a mirror of yourself (shop rin art association、2025年)、Position (Second 2、2024年)、Out-Of-Body (rin art association、2024年)、Transition (まえばしガレリアギャラリー2、2023年)、share (多摩美術大学彫刻棟ギャラリー、2023年)、effect (rin art association、2021年)、ボーダーマン (Art Center Ongoing、2019年)など。主なグループ展に、アイディアノート (師岡製作所、2025年)、あやしうこそものぐるほしけれ (Wandervogel Gallery、2025年)、ul (Hotel Lulud、2025年)、体のちかく 声のちかく 小林達也x村田峰紀 (gallery 10 [TOH]、2025年)、新収蔵作品展 (群馬県立近大美術館、2024年)、Touching (新竹市美術館、台湾、2024年)、コレクターズIII Turning the World (福岡市美術館、2024年)、Void+Stock: 棚田康司、本間純、三田村光土里、村田峰紀 (void+、2024年)、New Horizon Vision of the Future (アーツ前橋、2023年)、Platform || Pause – rest+restore (BankART KAIKO、2023年)、Uninhabited Island: War and the Body (zit dim art space、2023年)、N/World (Mtk Contemporary Art、2022年)。主なパフォーマンスイベントに、手・足・口 (佐賀大学、2025年)、since then l from now (シアター・キネマティカ他、2024年)、2019 LIVE International Performance Art Biennale in Vancouver (gland floor、2019年)、間人:首くくり𣑥象、山川冬樹、村田峰紀 (前橋市芸術文化レンガ蔵、2016年)など。

武谷大介

武谷大介は、カナダのトロント市と日本を拠点に活動する学際的アーティスト。スクールオブビジュアルアーツ(米国・ニューヨーク)学士課程修了、ニューヨークアカデミーオブアート(ニューヨーク)修士課程修了、ブロック大学教育学部アダルトエデュケーション科(カナダ・オンタリオ州)最終単位取得前に中退。絵画、パフォーマンスアート、インスタレーション、写真、彫刻、キュレーションなどの多彩な表現で、現代社会の妥当性を検証し、その隠された二面性を作品として表現します。トロント現代美術館、ニュイブロンシュ(トロント)、SVAギャラリー(ニューヨーク)、ワグナーカレッジギャラリー(ニューヨーク)、京都芸術センター、セゾンアートプログラム、六本木アートナイト2013、福島ビエンナーレ、キャノン写真新世紀展、山形ビエンナーレ、国際交流基金トロント日本文化センター、在日カナダ大使館高円宮記念ギャラリーなど、個展、グループ展多数。遠足プロジェクト・遠足プロジェクトアジア代表、レスポ代表、国境を超えた芸術家集団(トランスネーション)およびにDAIS石巻立ち上げメンバー。 
www.daisuketakeya.com

たくみちゃん

たくみちゃんは、東京在住のアーティスト。一つのものが複数の人にどう見えるか、その違いを源泉として上演を生成します。その際に独自のインプロヴィゼーション理論を構築しています。コンテンポラリーダンス、パフォーマンスアート、演劇等、領域横断的に作品を発表しています。近年は中国西安(GUYU ACTION、2025年)や宮城県石巻市(R6: 開放すること/癒すこと、2024年)などのパフォーマンスアートプロジェクトに参加。代表作に《―(dash)#2 Rosetta Stone》(Tokyo Arts and Space、2023年)などがあります。

イェ・ツーチー

イェ・ツーチー(葉子啓)は、台湾を拠点とするパフォーマンスアーティスト・オーガナイザー。西洋・英文学を学び、2002年にパフォーマンスアートに転じる以前は、月刊文芸誌の編集者や、短期大学で英語を教える常勤講師、フリーランスの翻訳者・文筆家として働いてきました。ライブ・パフォーマンスや記録映像・写真の公演・展示のため、ツーチーはこれまでに日本、韓国、フィリピン、中国、ミャンマー、タイ、フランス、インドネシア、シンガポール、マカオ、ポーランド、スロバキア、ハンガリー、フィンランド、イスラエル、クロアチア、カナダ、メキシコ、米国、ドイツ、スイス、チリ、アルゼンチン、香港に招聘されてきました。

彼女の作品は、形式と主題という点できわめて多様です。そのなかでも女性の経験、ジェンダーの諸問題、動物の権利、自然/環境、政治、歴史、難民等に関心をもってきました。多くの場合、彼女はミニマリストでレディ・メイドな道具を用いながら、自身の身体を(ときとして観客と一緒に)使って、パフォーマンスを行います。そして、彼女は伝えたいコンセプトを行為の過程で明らかにします。また、近年では、パフォーマンスを行う場所の環境により注意を向けるようになりました。初期のパフォーマンス2作品(「結髪の紐」と「人間の卵と動物の卵」)は、マカオ美術館に収蔵されています。さらに、彼女は2020年台湾ビエンナーレ「サブ・ズーロジー」の参加アーティストでもあります。2003年、ツーチーは「アートレンド・パフォーマンス・グループ」を創設しました。以来、同グループのもとで5つの国際パフォーマンスアート・フェスティバルを運営するとともに、台湾各地で多数の地域パフォーマンス企画やワークショップを開催し、6冊の記録カタログを出版してきました。
https://yehtzuchiart.wordpress.com/

ヨンジョン

ヨンジョンは領域横断的なアーティストで、フェミネール(Feminale)のオーガナイザーでもあります。彼女は、パフォーマンスと映像にとくに焦点を当てながら、さまざまなメディウムに実験的な手法で取り組みます。彼女は、日常生活への芸術的介入を企図するとともに、社会的・文化的な争点を、パフォーマンスのなかで批判的かつユーモアに富んだかたちで表現します。オーガナイザーとしては、フェミネール(アジア+パフォーマンスアート+自由な女性)や、メディア・ボディ(メディアの実験+パフォーマンスアート)など、いくつかのプロジェクトを遂行してきました。

ヨンジョンは、ウィスコンシン大学ミルウォーキー校で映像分野の美術修士号を修得しました。彼女は、韓国芸術総合学校、成均館大学、ソウル芸術大学、桂園芸術大学、湖原大学等で客員教員や講師として働いてきました。また、以下の各国のレジデンスで滞在制作を行ってきました:中国、台湾、タイ(バンコク、チェンマイ、ナン)、ミャンマー、インドネシア、ドイツ、ヴェトナム、フィリピン、そして韓国各地。さらに、以下の展示・公演に参加してきました:マカオ・ビエンナーレ2025 (マカオ); シンガポール・ビエンナーレ2022 (シンガポール); 第11回アプ–オン国際パフォーマンス・フェスティバル (中国); ブルアボーダー国際パフォーマンスアート交流 (タイ); エヒト・イェツト国際パフォーマンス・フェスティバル (ドイツ); アバヴ・クラウズ国際ライブアート・フェスティバル (中国); ヴィヴァ・エクスコン・ビエンナーレ (フィリピン); ニュー・ゼロ・プラットフォーム国際パフォーマンス・フェスティバル (ミャンマー); レスポンディング国際パフォーマンスアート・フェスティバル&ミーティング (日本); ソリダリティ国際パフォーマンスアート・フェスティバル (フィリピン); ロッテルダム国際映画祭 (オランダ); サンパウロ国際短編映画祭 (ブラジル); アンカラ国際映画祭 (トルコ); レトランジェ国際映画祭 (フランス); アソロ国際映画映像祭 (イタリア); ジヒラヴァ国際映画映像祭 (チェコ); ベルグラード国際ドキュメンタリー・映像祭 (セルビア)等。
https://linktr.ee/YeonJeong.K
https://www.instagram.com/yeonjeong_artist/
https://www.instagram.com/feminale.asia
https://www.facebook.com/femicology/

参加アーティスト

ミデオ・M・クルス (第 II 期)
ラケル・デ・ロヨラ (第 II 期)
ガブリエラ・ナターシャ・ガルシア・ゴンサレス (第 I 期)
村田峰紀 (第 I/II 期)
武谷大介 (第 I/II 期)
たくみちゃん (第 I/II 期)
イェ・ツーチー (第 I 期)
ヨンジョン (第 II 期)

ミデオ・M・クルス

ミデオ・M・クルスは、調査、パフォーマンス行為、そして物質の転用(appropriation)が交差する地点で活動を展開する領域横断的なフィリピンのアーティストです。彼の作品は、資本主義、ナショナリズム、宗教、ポップカルチャーが生み出す過剰(excess)をテーマにしています。クルスは過剰に生み出されたものを、残余、剰余、スペクタクル、そしてイデオロギーの副産物として理解します。そして、こうした過剰生産物をゴミとして扱うのではなく、それをアーカイヴとして捉え、権力、欲望、矛盾が可視化される場所として位置づけます。

クルスはパフォーマンスを出発点としながら、インスタレーション、社会課題への関与、そして教育へと活動を広げてきました。彼のプロジェクトはしばしば、棄てられたシンボル、過剰生産されたイメージ、そして身近にある文化的な指示対象を再構成し、つくり変えていきます。すでに過剰供給されているもの—偶像、物語、商品—をこうして転用することで、これらのものが装う中立性を撹乱するとともに、それを正常であるかのように見せるシステムを暴き出します。彼の作品において、ユーモア、不快感、そしてスペクタクルは目的ではなく、批判的な考察のための手段として機能します。リサーチを重視する彼の手法は、生きた経験、歴史的探究、そして場所の固有性をめぐる観察に依拠しています。 

クルスが現在、日本で取り組んでいるリサーチは、高度に制御されたシステムの枠内で、過剰なものがいかに立ち現れるのかを探索しています。制限・反復・改良が、過剰消費やシンボルの過多と共存するこのシステムにおいて、過剰なものがいかなる相貌をあらわすのかを調査しています。パフォーマンスは、こうした探究のひとつの方法となります。パフォーマンスは、日常生活のなかで身体・儀礼・身振りが、過剰なものをいかに吸収・拒絶・再生産するのかを検証する手段になるのです。クルスは、パフォーマンスの行為遂行性が舞台の外側でどのように作動するのかという問題にとくに関心を寄せています。それは社会的な役割、国民的な神話、そして道徳的な規則が、行為のなかでどのように繰り返され、身体化されるのかという問題です。芸術の概念を社会的な力として拡張しながら、彼の作品は神話化に抗い、芸術的な生産と日常的な存在を隔てる分離に挑戦します。こうした芸術実践と並行して、クルスはオルタナティヴな教育の仕組みを構築し、創造性を特殊な才能としてではなく、根源的な人間の能力として捉え直す活動にも取り組んでいます。彼の作品は一貫して、過剰とは偶発的ではなく構造的に生み出されると主張します。そして、このような過剰に直接的に対峙することで、アートは批判的想像力と集合的な問い直しのための空間を切り開くことができると論じるのです。

ラケル・デ・ロヨラ 

ラケル・デ・ロヨラは、フィリピンを拠点に活動するアーティストです。彼女の作品は、女性問題、アイデンティティ、植民地化、移民、強制移住、資本主義、グローバル化のほか、現代の諸問題をおもに扱います。

デ・ロヨラは2002年、ダルマシスワ研究生として、インドネシア芸術大学ジョグジャカルタ校でガムラン/カラウィタンを研究しました。2000年、ノエル・タイロがマニラを拠点とするフォークロック・ワールドミュージックのバンド、タラヒブを創設します。デ・ロヨラはこのバンドで創設時のリードヴォーカルのひとりとして活動しました。また、2000年代初頭から中期に活発に展開された、アーティストが緩やかにつながる国際的なオープン・ネットワークであるニュー・ワールド・ディスオーダーに、彼女は主要な創設メンバーとして参加しました。このネットワークのなかで、彼女はマニラや、2004年にはドイツ・ハンブルクのカンプナゲル劇場で開催されたラオクーン・フェスティバル等、国内外で協働して作品を公開しました。そして、アジア・ミーツ・アジア(日本・東京、2002、2005年)、カレンシー・フェスティバル(米国・ニューヨーク、2004年)、アジアトピア05(タイ・バンコク)に参加します。その後2006年、デ・ロヨラは、彼女の作品のひとつ「メブヤンの尽きることのない支え」を、カナダ・オンタリオ州トロントで開催された7a*11d国際パフォーマンス・アート・フェスティバルで、さらに同国ブリティッシュ・コロンビア州ヴァンクーヴァーのギャラリー・ガシェで開催されたライヴ・ビエンナーレで発表しました。2007年には、アテネオ・アート・アウォードの最終候補に選出されています。

2008年、デ・ロヨラはアール・テュイラージュ’08(フランス・ブルゴーニュ、シャトー・ド・シェヴィニー、クレイン・ラボ;パリ、ロリンピック・カフェ)、ヒルデスハイム国際パフォーマンス協会の関連企画ズーム!:東南アジア・パフォーマンス・アート・フェスティバル(ドイツ・ヒルデスハイム)、そしてパフォーマー・シュタムティッシュ・ギャラリー芸術調査(ドイツ・ベルリン)で作品を発表しました。2009年には、中国・北京で開催されたオープン国際パフォーマンス・アートフェスティバルに参加しています。2013年は米国で、グレイス・プレイス展(ニューヨーク・ブルックリン)、ジョン・ジェイ・カレッジのブラック・ボックス・シアター(ニューヨーク)、そしてパフォーム・チャイナ・タウン(カリフォルニア・ロサンゼルス)でパフォーマンス公演を行いました。2017年には、ノー・イグジット・ライブ・パフォーマンス・アート・フェスティバル(タイ・バンコク)でパフォーマンス作品を公開しています。

2009年、デ・ロヨラはフィリピン国立文化センターのメイン・ギャラリーで開催されたCCP 13 アーティスト・アウォードで、彼女の代表的なパフォーマンス映像インスタレーション作品のひとつ「ブレミッシュ」を発表しています。2011年には、彼女の作品のひとつ「マウンド」を、マニラ現代のアブセンス・パフォーマンス・レジデンス/展覧会で公開しました。2013年、彼女はフィリピン・アートの功績展の参加アーティストとなり、米国ニュージャージー州モンクレアのモンクレア大学ジョージ・シーガル・ギャラリー、カリフォルニア州ロサンゼルスのフィッシャー美術館、そして2014年にはフィリピン・マカティのアヤラ・ミュージアムの展示に加わりました。また、2012年には、アジアン・カルチュラル・カウンシルの助成プログラムを受けて、ニューヨークに滞在しています。

デ・ロヨラは国内外で積極的に作品を発表してきました。都市の喧騒を離れて生活しながら、彼女は現在、夫とともにフィリピンの中部ルソンでバンガン・プロジェクト・スペースというアーティスト主導の拠点を設立・運営しています。彼女は既存の分野やさまざまな可能性を横断しながら、探究を続けています。現在は、ソフト・ファブリックの彫刻や、衣類を用いた主題の提示に取り組んでいます。 

創造的な活動は、思想を創造行為、運動、その他の表現手段へと転換するよう、個人を動機づける思考の蓄積とともに始まります。デ・ロヨラの作品は、アートの境界を解体することに焦点を当てます。彼女は、慣習に囚われない領域横断的な探究が、人々にとってより身近で、それゆえにアートと実生活の分断を架橋するような、統合された創造の形式を取り戻すことにつながると信じています。空想に頼ることなく、しかし生存という不可思議な経験的神秘を、創造的創造と自己表現とともに示し続けること。こうした問題意識から、彼女の作品は女性、ジェンダー、植民地化、商品、消費主義、移民、強制移住、アイデンティティ、グローバル化、そして不確実性に直面する現代の諸問題をおもに検討しています。

ガブリエラ・ナターシャ・ガルシア・ゴンサレス

ガブリエラ・ナターシャ・ガルシア・ゴンサレスはメキシコ市生まれ。2024年1月より東京在住。版画とパフォーマンスを中心に活動。メキシコのグアナファト大学美術学部卒業。ビデオアーティスト、アニメーターとして活動し、数々の短編映画祭で作品を発表。現在埼玉のアーティストグループCAF.N(Contemporary Art Festival Nebula)のメンバー。2024年福島と石巻で開催された「R6: Releasing and Healing 解放すること/癒すこと」に参加。2025年、ドイツ、東京、千葉、アグアスカリエンテスでの展覧会に参加し、グラフィックドローイングと身体表現の交差点を探求している。

村田峰紀

群馬県生まれ前橋市在住。2005 年多摩美術大学美術学部彫刻学科卒業。原初的な行為で“かく”ことの語源にある4つの要素を、意識=書く、結果=描く、行為=掻く、潜在=欠く、と捉えてドローイング制作やパフォーマンスをおこなっています。パフォーマンスとは自身を通して身体で考え反応する事と考え、身体感覚を研ぎ澄まし今目の前にある不自由な対象や状況の中で泥臭くもがき続け解きほぐします。Ongoing Collective、Responding Performance Art Initiative、身体の人たちに在籍し活動。

主な個展にBAR (void+、2026年)、トータス (Art Center Ongoing Tokyo、2025年)、a mirror of yourself (shop rin art association、2025年)、Position (Second 2、2024年)、Out-Of-Body (rin art association、2024年)、Transition (まえばしガレリアギャラリー2、2023年)、share (多摩美術大学彫刻棟ギャラリー、2023年)、effect (rin art association、2021年)、ボーダーマン (Art Center Ongoing、2019年)など。主なグループ展に、アイディアノート (師岡製作所、2025年)、あやしうこそものぐるほしけれ (Wandervogel Gallery、2025年)、ul (Hotel Lulud、2025年)、体のちかく 声のちかく 小林達也x村田峰紀 (gallery 10 [TOH]、2025年)、新収蔵作品展 (群馬県立近大美術館、2024年)、Touching (新竹市美術館、台湾、2024年)、コレクターズIII Turning the World (福岡市美術館、2024年)、Void+Stock: 棚田康司、本間純、三田村光土里、村田峰紀 (void+、2024年)、New Horizon Vision of the Future (アーツ前橋、2023年)、Platform || Pause – rest+restore (BankART KAIKO、2023年)、Uninhabited Island: War and the Body (zit dim art space、2023年)、N/World (Mtk Contemporary Art、2022年)。主なパフォーマンスイベントに、手・足・口 (佐賀大学、2025年)、since then l from now (シアター・キネマティカ他、2024年)、2019 LIVE International Performance Art Biennale in Vancouver (gland floor、2019年)、間人:首くくり𣑥象、山川冬樹、村田峰紀 (前橋市芸術文化レンガ蔵、2016年)など。

武谷大介

武谷大介は、カナダのトロント市と日本を拠点に活動する学際的アーティスト。スクールオブビジュアルアーツ(米国・ニューヨーク)学士課程修了、ニューヨークアカデミーオブアート(ニューヨーク)修士課程修了、ブロック大学教育学部アダルトエデュケーション科(カナダ・オンタリオ州)最終単位取得前に中退。絵画、パフォーマンスアート、インスタレーション、写真、彫刻、キュレーションなどの多彩な表現で、現代社会の妥当性を検証し、その隠された二面性を作品として表現します。トロント現代美術館、ニュイブロンシュ(トロント)、SVAギャラリー(ニューヨーク)、ワグナーカレッジギャラリー(ニューヨーク)、京都芸術センター、セゾンアートプログラム、六本木アートナイト2013、福島ビエンナーレ、キャノン写真新世紀展、山形ビエンナーレ、国際交流基金トロント日本文化センター、在日カナダ大使館高円宮記念ギャラリーなど、個展、グループ展多数。遠足プロジェクト・遠足プロジェクトアジア代表、レスポ代表、国境を超えた芸術家集団(トランスネーション)およびにDAIS石巻立ち上げメンバー。 
www.daisuketakeya.com

たくみちゃん

たくみちゃんは、東京在住のアーティスト。一つのものが複数の人にどう見えるか、その違いを源泉として上演を生成します。その際に独自のインプロヴィゼーション理論を構築しています。コンテンポラリーダンス、パフォーマンスアート、演劇等、領域横断的に作品を発表しています。近年は中国西安(GUYU ACTION、2025年)や宮城県石巻市(R6: 開放すること/癒すこと、2024年)などのパフォーマンスアートプロジェクトに参加。代表作に《―(dash)#2 Rosetta Stone》(Tokyo Arts and Space、2023年)などがあります。

イェ・ツーチー

イェ・ツーチー(葉子啓)は、台湾を拠点とするパフォーマンスアーティスト・オーガナイザー。西洋・英文学を学び、2002年にパフォーマンスアートに転じる以前は、月刊文芸誌の編集者や、短期大学で英語を教える常勤講師、フリーランスの翻訳者・文筆家として働いてきました。ライブ・パフォーマンスや記録映像・写真の公演・展示のため、ツーチーはこれまでに日本、韓国、フィリピン、中国、ミャンマー、タイ、フランス、インドネシア、シンガポール、マカオ、ポーランド、スロバキア、ハンガリー、フィンランド、イスラエル、クロアチア、カナダ、メキシコ、米国、ドイツ、スイス、チリ、アルゼンチン、香港に招聘されてきました。

彼女の作品は、形式と主題という点できわめて多様です。そのなかでも女性の経験、ジェンダーの諸問題、動物の権利、自然/環境、政治、歴史、難民等に関心をもってきました。多くの場合、彼女はミニマリストでレディ・メイドな道具を用いながら、自身の身体を(ときとして観客と一緒に)使って、パフォーマンスを行います。そして、彼女は伝えたいコンセプトを行為の過程で明らかにします。また、近年では、パフォーマンスを行う場所の環境により注意を向けるようになりました。初期のパフォーマンス2作品(「結髪の紐」と「人間の卵と動物の卵」)は、マカオ美術館に収蔵されています。さらに、彼女は2020年台湾ビエンナーレ「サブ・ズーロジー」の参加アーティストでもあります。2003年、ツーチーは「アートレンド・パフォーマンス・グループ」を創設しました。以来、同グループのもとで5つの国際パフォーマンスアート・フェスティバルを運営するとともに、台湾各地で多数の地域パフォーマンス企画やワークショップを開催し、6冊の記録カタログを出版してきました。
https://yehtzuchiart.wordpress.com/

ヨンジョン

ヨンジョンは領域横断的なアーティストで、フェミネール(Feminale)のオーガナイザーでもあります。彼女は、パフォーマンスと映像にとくに焦点を当てながら、さまざまなメディウムに実験的な手法で取り組みます。彼女は、日常生活への芸術的介入を企図するとともに、社会的・文化的な争点を、パフォーマンスのなかで批判的かつユーモアに富んだかたちで表現します。オーガナイザーとしては、フェミネール(アジア+パフォーマンスアート+自由な女性)や、メディア・ボディ(メディアの実験+パフォーマンスアート)など、いくつかのプロジェクトを遂行してきました。

ヨンジョンは、ウィスコンシン大学ミルウォーキー校で映像分野の美術修士号を修得しました。彼女は、韓国芸術総合学校、成均館大学、ソウル芸術大学、桂園芸術大学、湖原大学等で客員教員や講師として働いてきました。また、以下の各国のレジデンスで滞在制作を行ってきました:中国、台湾、タイ(バンコク、チェンマイ、ナン)、ミャンマー、インドネシア、ドイツ、ヴェトナム、フィリピン、そして韓国各地。さらに、以下の展示・公演に参加してきました:マカオ・ビエンナーレ2025 (マカオ); シンガポール・ビエンナーレ2022 (シンガポール); 第11回アプ–オン国際パフォーマンス・フェスティバル (中国); ブルアボーダー国際パフォーマンスアート交流 (タイ); エヒト・イェツト国際パフォーマンス・フェスティバル (ドイツ); アバヴ・クラウズ国際ライブアート・フェスティバル (中国); ヴィヴァ・エクスコン・ビエンナーレ (フィリピン); ニュー・ゼロ・プラットフォーム国際パフォーマンス・フェスティバル (ミャンマー); レスポンディング国際パフォーマンスアート・フェスティバル&ミーティング (日本); ソリダリティ国際パフォーマンスアート・フェスティバル (フィリピン); ロッテルダム国際映画祭 (オランダ); サンパウロ国際短編映画祭 (ブラジル); アンカラ国際映画祭 (トルコ); レトランジェ国際映画祭 (フランス); アソロ国際映画映像祭 (イタリア); ジヒラヴァ国際映画映像祭 (チェコ); ベルグラード国際ドキュメンタリー・映像祭 (セルビア)等。
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参加アーティスト

ミデオ・M・クルス (第 II 期)
ラケル・デ・ロヨラ (第 II 期)
ガブリエラ・ナターシャ・ガルシア・ゴンサレス (第 I 期)
村田峰紀 (第 I/II 期)
武谷大介 (第 I/II 期)
たくみちゃん (第 I/II 期)
イェ・ツーチー (第 I 期)
ヨンジョン (第 II 期)

ミデオ・M・クルス

ミデオ・M・クルスは、調査、パフォーマンス行為、そして物質の転用(appropriation)が交差する地点で活動を展開する領域横断的なフィリピンのアーティストです。彼の作品は、資本主義、ナショナリズム、宗教、ポップカルチャーが生み出す過剰(excess)をテーマにしています。クルスは過剰に生み出されたものを、残余、剰余、スペクタクル、そしてイデオロギーの副産物として理解します。そして、こうした過剰生産物をゴミとして扱うのではなく、それをアーカイヴとして捉え、権力、欲望、矛盾が可視化される場所として位置づけます。

クルスはパフォーマンスを出発点としながら、インスタレーション、社会課題への関与、そして教育へと活動を広げてきました。彼のプロジェクトはしばしば、棄てられたシンボル、過剰生産されたイメージ、そして身近にある文化的な指示対象を再構成し、つくり変えていきます。すでに過剰供給されているもの—偶像、物語、商品—をこうして転用することで、これらのものが装う中立性を撹乱するとともに、それを正常であるかのように見せるシステムを暴き出します。彼の作品において、ユーモア、不快感、そしてスペクタクルは目的ではなく、批判的な考察のための手段として機能します。リサーチを重視する彼の手法は、生きた経験、歴史的探究、そして場所の固有性をめぐる観察に依拠しています。 

クルスが現在、日本で取り組んでいるリサーチは、高度に制御されたシステムの枠内で、過剰なものがいかに立ち現れるのかを探索しています。制限・反復・改良が、過剰消費やシンボルの過多と共存するこのシステムにおいて、過剰なものがいかなる相貌をあらわすのかを調査しています。パフォーマンスは、こうした探究のひとつの方法となります。パフォーマンスは、日常生活のなかで身体・儀礼・身振りが、過剰なものをいかに吸収・拒絶・再生産するのかを検証する手段になるのです。クルスは、パフォーマンスの行為遂行性が舞台の外側でどのように作動するのかという問題にとくに関心を寄せています。それは社会的な役割、国民的な神話、そして道徳的な規則が、行為のなかでどのように繰り返され、身体化されるのかという問題です。芸術の概念を社会的な力として拡張しながら、彼の作品は神話化に抗い、芸術的な生産と日常的な存在を隔てる分離に挑戦します。こうした芸術実践と並行して、クルスはオルタナティヴな教育の仕組みを構築し、創造性を特殊な才能としてではなく、根源的な人間の能力として捉え直す活動にも取り組んでいます。彼の作品は一貫して、過剰とは偶発的ではなく構造的に生み出されると主張します。そして、このような過剰に直接的に対峙することで、アートは批判的想像力と集合的な問い直しのための空間を切り開くことができると論じるのです。

ラケル・デ・ロヨラ 

ラケル・デ・ロヨラは、フィリピンを拠点に活動するアーティストです。彼女の作品は、女性問題、アイデンティティ、植民地化、移民、強制移住、資本主義、グローバル化のほか、現代の諸問題をおもに扱います。

デ・ロヨラは2002年、ダルマシスワ研究生として、インドネシア芸術大学ジョグジャカルタ校でガムラン/カラウィタンを研究しました。2000年、ノエル・タイロがマニラを拠点とするフォークロック・ワールドミュージックのバンド、タラヒブを創設します。デ・ロヨラはこのバンドで創設時のリードヴォーカルのひとりとして活動しました。また、2000年代初頭から中期に活発に展開された、アーティストが緩やかにつながる国際的なオープン・ネットワークであるニュー・ワールド・ディスオーダーに、彼女は主要な創設メンバーとして参加しました。このネットワークのなかで、彼女はマニラや、2004年にはドイツ・ハンブルクのカンプナゲル劇場で開催されたラオクーン・フェスティバル等、国内外で協働して作品を公開しました。そして、アジア・ミーツ・アジア(日本・東京、2002、2005年)、カレンシー・フェスティバル(米国・ニューヨーク、2004年)、アジアトピア05(タイ・バンコク)に参加します。その後2006年、デ・ロヨラは、彼女の作品のひとつ「メブヤンの尽きることのない支え」を、カナダ・オンタリオ州トロントで開催された7a*11d国際パフォーマンス・アート・フェスティバルで、さらに同国ブリティッシュ・コロンビア州ヴァンクーヴァーのギャラリー・ガシェで開催されたライヴ・ビエンナーレで発表しました。2007年には、アテネオ・アート・アウォードの最終候補に選出されています。

2008年、デ・ロヨラはアール・テュイラージュ’08(フランス・ブルゴーニュ、シャトー・ド・シェヴィニー、クレイン・ラボ;パリ、ロリンピック・カフェ)、ヒルデスハイム国際パフォーマンス協会の関連企画ズーム!:東南アジア・パフォーマンス・アート・フェスティバル(ドイツ・ヒルデスハイム)、そしてパフォーマー・シュタムティッシュ・ギャラリー芸術調査(ドイツ・ベルリン)で作品を発表しました。2009年には、中国・北京で開催されたオープン国際パフォーマンス・アートフェスティバルに参加しています。2013年は米国で、グレイス・プレイス展(ニューヨーク・ブルックリン)、ジョン・ジェイ・カレッジのブラック・ボックス・シアター(ニューヨーク)、そしてパフォーム・チャイナ・タウン(カリフォルニア・ロサンゼルス)でパフォーマンス公演を行いました。2017年には、ノー・イグジット・ライブ・パフォーマンス・アート・フェスティバル(タイ・バンコク)でパフォーマンス作品を公開しています。

2009年、デ・ロヨラはフィリピン国立文化センターのメイン・ギャラリーで開催されたCCP 13 アーティスト・アウォードで、彼女の代表的なパフォーマンス映像インスタレーション作品のひとつ「ブレミッシュ」を発表しています。2011年には、彼女の作品のひとつ「マウンド」を、マニラ現代のアブセンス・パフォーマンス・レジデンス/展覧会で公開しました。2013年、彼女はフィリピン・アートの功績展の参加アーティストとなり、米国ニュージャージー州モンクレアのモンクレア大学ジョージ・シーガル・ギャラリー、カリフォルニア州ロサンゼルスのフィッシャー美術館、そして2014年にはフィリピン・マカティのアヤラ・ミュージアムの展示に加わりました。また、2012年には、アジアン・カルチュラル・カウンシルの助成プログラムを受けて、ニューヨークに滞在しています。

デ・ロヨラは国内外で積極的に作品を発表してきました。都市の喧騒を離れて生活しながら、彼女は現在、夫とともにフィリピンの中部ルソンでバンガン・プロジェクト・スペースというアーティスト主導の拠点を設立・運営しています。彼女は既存の分野やさまざまな可能性を横断しながら、探究を続けています。現在は、ソフト・ファブリックの彫刻や、衣類を用いた主題の提示に取り組んでいます。 

創造的な活動は、思想を創造行為、運動、その他の表現手段へと転換するよう、個人を動機づける思考の蓄積とともに始まります。デ・ロヨラの作品は、アートの境界を解体することに焦点を当てます。彼女は、慣習に囚われない領域横断的な探究が、人々にとってより身近で、それゆえにアートと実生活の分断を架橋するような、統合された創造の形式を取り戻すことにつながると信じています。空想に頼ることなく、しかし生存という不可思議な経験的神秘を、創造的創造と自己表現とともに示し続けること。こうした問題意識から、彼女の作品は女性、ジェンダー、植民地化、商品、消費主義、移民、強制移住、アイデンティティ、グローバル化、そして不確実性に直面する現代の諸問題をおもに検討しています。

ガブリエラ・ナターシャ・ガルシア・ゴンサレス

ガブリエラ・ナターシャ・ガルシア・ゴンサレスはメキシコ市生まれ。2024年1月より東京在住。版画とパフォーマンスを中心に活動。メキシコのグアナファト大学美術学部卒業。ビデオアーティスト、アニメーターとして活動し、数々の短編映画祭で作品を発表。現在埼玉のアーティストグループCAF.N(Contemporary Art Festival Nebula)のメンバー。2024年福島と石巻で開催された「R6: Releasing and Healing 解放すること/癒すこと」に参加。2025年、ドイツ、東京、千葉、アグアスカリエンテスでの展覧会に参加し、グラフィックドローイングと身体表現の交差点を探求している。

村田峰紀

群馬県生まれ前橋市在住。2005 年多摩美術大学美術学部彫刻学科卒業。原初的な行為で“かく”ことの語源にある4つの要素を、意識=書く、結果=描く、行為=掻く、潜在=欠く、と捉えてドローイング制作やパフォーマンスをおこなっています。パフォーマンスとは自身を通して身体で考え反応する事と考え、身体感覚を研ぎ澄まし今目の前にある不自由な対象や状況の中で泥臭くもがき続け解きほぐします。Ongoing Collective、Responding Performance Art Initiative、身体の人たちに在籍し活動。

主な個展にBAR (void+、2026年)、トータス (Art Center Ongoing Tokyo、2025年)、a mirror of yourself (shop rin art association、2025年)、Position (Second 2、2024年)、Out-Of-Body (rin art association、2024年)、Transition (まえばしガレリアギャラリー2、2023年)、share (多摩美術大学彫刻棟ギャラリー、2023年)、effect (rin art association、2021年)、ボーダーマン (Art Center Ongoing、2019年)など。主なグループ展に、アイディアノート (師岡製作所、2025年)、あやしうこそものぐるほしけれ (Wandervogel Gallery、2025年)、ul (Hotel Lulud、2025年)、体のちかく 声のちかく 小林達也x村田峰紀 (gallery 10 [TOH]、2025年)、新収蔵作品展 (群馬県立近大美術館、2024年)、Touching (新竹市美術館、台湾、2024年)、コレクターズIII Turning the World (福岡市美術館、2024年)、Void+Stock: 棚田康司、本間純、三田村光土里、村田峰紀 (void+、2024年)、New Horizon Vision of the Future (アーツ前橋、2023年)、Platform || Pause – rest+restore (BankART KAIKO、2023年)、Uninhabited Island: War and the Body (zit dim art space、2023年)、N/World (Mtk Contemporary Art、2022年)。主なパフォーマンスイベントに、手・足・口 (佐賀大学、2025年)、since then l from now (シアター・キネマティカ他、2024年)、2019 LIVE International Performance Art Biennale in Vancouver (gland floor、2019年)、間人:首くくり𣑥象、山川冬樹、村田峰紀 (前橋市芸術文化レンガ蔵、2016年)など。

武谷大介

武谷大介は、カナダのトロント市と日本を拠点に活動する学際的アーティスト。スクールオブビジュアルアーツ(米国・ニューヨーク)学士課程修了、ニューヨークアカデミーオブアート(ニューヨーク)修士課程修了、ブロック大学教育学部アダルトエデュケーション科(カナダ・オンタリオ州)最終単位取得前に中退。絵画、パフォーマンスアート、インスタレーション、写真、彫刻、キュレーションなどの多彩な表現で、現代社会の妥当性を検証し、その隠された二面性を作品として表現します。トロント現代美術館、ニュイブロンシュ(トロント)、SVAギャラリー(ニューヨーク)、ワグナーカレッジギャラリー(ニューヨーク)、京都芸術センター、セゾンアートプログラム、六本木アートナイト2013、福島ビエンナーレ、キャノン写真新世紀展、山形ビエンナーレ、国際交流基金トロント日本文化センター、在日カナダ大使館高円宮記念ギャラリーなど、個展、グループ展多数。遠足プロジェクト・遠足プロジェクトアジア代表、レスポ代表、国境を超えた芸術家集団(トランスネーション)およびにDAIS石巻立ち上げメンバー。 
www.daisuketakeya.com

たくみちゃん

たくみちゃんは、東京在住のアーティスト。一つのものが複数の人にどう見えるか、その違いを源泉として上演を生成します。その際に独自のインプロヴィゼーション理論を構築しています。コンテンポラリーダンス、パフォーマンスアート、演劇等、領域横断的に作品を発表しています。近年は中国西安(GUYU ACTION、2025年)や宮城県石巻市(R6: 開放すること/癒すこと、2024年)などのパフォーマンスアートプロジェクトに参加。代表作に《―(dash)#2 Rosetta Stone》(Tokyo Arts and Space、2023年)などがあります。

イェ・ツーチー

イェ・ツーチー(葉子啓)は、台湾を拠点とするパフォーマンスアーティスト・オーガナイザー。西洋・英文学を学び、2002年にパフォーマンスアートに転じる以前は、月刊文芸誌の編集者や、短期大学で英語を教える常勤講師、フリーランスの翻訳者・文筆家として働いてきました。ライブ・パフォーマンスや記録映像・写真の公演・展示のため、ツーチーはこれまでに日本、韓国、フィリピン、中国、ミャンマー、タイ、フランス、インドネシア、シンガポール、マカオ、ポーランド、スロバキア、ハンガリー、フィンランド、イスラエル、クロアチア、カナダ、メキシコ、米国、ドイツ、スイス、チリ、アルゼンチン、香港に招聘されてきました。

彼女の作品は、形式と主題という点できわめて多様です。そのなかでも女性の経験、ジェンダーの諸問題、動物の権利、自然/環境、政治、歴史、難民等に関心をもってきました。多くの場合、彼女はミニマリストでレディ・メイドな道具を用いながら、自身の身体を(ときとして観客と一緒に)使って、パフォーマンスを行います。そして、彼女は伝えたいコンセプトを行為の過程で明らかにします。また、近年では、パフォーマンスを行う場所の環境により注意を向けるようになりました。初期のパフォーマンス2作品(「結髪の紐」と「人間の卵と動物の卵」)は、マカオ美術館に収蔵されています。さらに、彼女は2020年台湾ビエンナーレ「サブ・ズーロジー」の参加アーティストでもあります。2003年、ツーチーは「アートレンド・パフォーマンス・グループ」を創設しました。以来、同グループのもとで5つの国際パフォーマンスアート・フェスティバルを運営するとともに、台湾各地で多数の地域パフォーマンス企画やワークショップを開催し、6冊の記録カタログを出版してきました。
https://yehtzuchiart.wordpress.com/

ヨンジョン

ヨンジョンは領域横断的なアーティストで、フェミネール(Feminale)のオーガナイザーでもあります。彼女は、パフォーマンスと映像にとくに焦点を当てながら、さまざまなメディウムに実験的な手法で取り組みます。彼女は、日常生活への芸術的介入を企図するとともに、社会的・文化的な争点を、パフォーマンスのなかで批判的かつユーモアに富んだかたちで表現します。オーガナイザーとしては、フェミネール(アジア+パフォーマンスアート+自由な女性)や、メディア・ボディ(メディアの実験+パフォーマンスアート)など、いくつかのプロジェクトを遂行してきました。

ヨンジョンは、ウィスコンシン大学ミルウォーキー校で映像分野の美術修士号を修得しました。彼女は、韓国芸術総合学校、成均館大学、ソウル芸術大学、桂園芸術大学、湖原大学等で客員教員や講師として働いてきました。また、以下の各国のレジデンスで滞在制作を行ってきました:中国、台湾、タイ(バンコク、チェンマイ、ナン)、ミャンマー、インドネシア、ドイツ、ヴェトナム、フィリピン、そして韓国各地。さらに、以下の展示・公演に参加してきました:マカオ・ビエンナーレ2025 (マカオ); シンガポール・ビエンナーレ2022 (シンガポール); 第11回アプ–オン国際パフォーマンス・フェスティバル (中国); ブルアボーダー国際パフォーマンスアート交流 (タイ); エヒト・イェツト国際パフォーマンス・フェスティバル (ドイツ); アバヴ・クラウズ国際ライブアート・フェスティバル (中国); ヴィヴァ・エクスコン・ビエンナーレ (フィリピン); ニュー・ゼロ・プラットフォーム国際パフォーマンス・フェスティバル (ミャンマー); レスポンディング国際パフォーマンスアート・フェスティバル&ミーティング (日本); ソリダリティ国際パフォーマンスアート・フェスティバル (フィリピン); ロッテルダム国際映画祭 (オランダ); サンパウロ国際短編映画祭 (ブラジル); アンカラ国際映画祭 (トルコ); レトランジェ国際映画祭 (フランス); アソロ国際映画映像祭 (イタリア); ジヒラヴァ国際映画映像祭 (チェコ); ベルグラード国際ドキュメンタリー・映像祭 (セルビア)等。
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